異なる2方向から撮影した画像上の共通点から撮影したカメラの位置関係を求める手法がエピポーラ幾何です。
下図の計測点Pとカメラ位置C1、C2で作成できる三次元上の三角形をエピポーラ面(平面)と呼びます。
カメラ1の写真画像(二次元)には計測点PがP'の位置に写っています。カメラの画像範囲を拡大すると、カメラ2の位置がC2'に写ります。カメラ1画像上でP’~C2'を結ぶ線分はP-C2線をカメラ1画像上に投影したものとなります。この線分をエピポーラ線と呼びます。またC2’、C1'の画像上の点をエピポール(点)と呼びます。
互いの画像上の共通点(計測点)が1点ではカメラの三次元位置関係を求めることはできませんが、複数の共通点がある場合、エピポーラ線とエピポール(点)の関係は下図のようになります。
下図から解るように全てのエピポーラ線は全てエピポール(点)を通ります。
このことを利用すると二次元上でカメラ位置の三次元相対関係を求めることができます。
手法は、最初仮のカメラ位置を決めエピポーラ線を作成します。仮の位置なので、エピポーラ線はエピポール(点)位置で収束せずばらばらとなっています。ここで2枚の画像のエピポーラ線が収束するようにカメラ位置関係を調整していきます。2枚の画像のエピポーラ線がそれぞれ1点に収束したら2つのカメラの相対的な位置関係が確定したことになります。
これまでの説明では2つのカメラの相対関係について説明しましたが、1つの計測点は複数のカメラに写っています。この作業を全ての画像と、全ての計測点に対し行い、求めたカメラの相対関係を全体的に収束させると、全てのカメラ位置を求めることができます。数学的な説明は行いませんのでご興味がある方は「エピーポーラ幾何」等のキーワードで検索して見てください。
ここで一番問題となることは、最初に画像間で同じ点の認識をどのようにして行うかということです。色々な手法がありますが、PIXXISではコードターゲットを使用することでこの問題を解決しています。コードターゲットは重複がないパターンの点群の集まりで、コードターゲットそれぞれにIDとコードターゲット内点のIDを設定しています。画像から計測点を抽出するときにコードターゲットのパターンと一致すれば、既知の共通計測点とみなしIDを使用してカメラ画像間の共通点の対応付けを行っています。
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